テーマ:シスターの少女

マックスくん、絶交する

めのまえで、ほのおがもえています。 * * マックスくんたちは、ただもえるほのおを見つめています。マックスくんのしろいけなみが、だいだい色にうつります。 いっそ、おなじほのおにとびこみたい。 マックスくんは、まっかにはらしたおめめから、またほろほろとお水をこぼします。 マックスくんをだきしめたア…
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マックスくん、ひとの世にぜつぼうする

あの生意気な少女が死にます。 きんいろのまき髪をたなびかせて、戦場を駆けたゆうもうな戦神。いつも敵をけちらそうとしては、みかたにはばまれて思うような布陣が敷けないと、ぷんぷんおこっては周りのみなさんにあたりちらしていた、なまいきな少女。 でも、うつくしかった。 ほんとうに、たましいまでうつくしい。そのなまいきな…
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マックスくん、失礼な少女とさいかいする

「そこまでよ」 りんとしたこえが、あたりを支配して、その場はしんとしずまりかえりました。 こえのぬしは、マックスくんよりずっとたかい場所にいます。 まつり用にたてられた、簡易の砦の頂上。 きんいろのながいまき毛がかぜになびいて、さらさらとひかります。ほっそりしたからだには、 たっぷりの威圧感がただよっていて、白魚のよう…
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マックスくん、ひとやすみをする。

むらのおどりばにくりだしたマックスくんは、その牧歌的なこうけいにみとれました。 むらのまわりはきんいろの小麦の穂がかこみ、とおくから山羊のこえがきこえてきます。 マックスくんは、ここですこーしだけやすむことに決めました。 まんまるなおめめには、ひとりの青年がうつります。 茶色のかみに、あおいひとみ。おだやかそうな、かっこ…
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マックスくん、はじめてひとではないものと会話する。

// 「そこで何してんの、うさぎ」 マックスくんはじぶんのことをうさぎだとごかいしているこえに眉をしかめました。せっかくきもちのいい草原でからだをむしぼししていたのに。 「ぼくはうさぎではありません。ぼくはマックスくんというのです」 「マール?」 「マックスくんです」 「どうでもいいけれど、そんなところで寝ていて…
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マックスくん、少年騎士とであう。

// マックスくんのおめめは、大洪水でした。だいすきなだいすきな、シャルル少年と別れなければならなかったのです。それがかなしくてかなしくて、ふわふわのしろい毛並みに、大粒のみずがしみていきます。 それでも、べつのみちをあるかなくてはならなかったのです。 いつまでもシャルル少年といっしょではいけないのです。マックスくんは…
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マックスくん、旅にでる。

//  マックスくんがシャルル少年のおうちに滞在して、2週間がたちました。 「マックスくん。彼らはいったい何をしているの?」  シャルル少年がまどのそとを見ながら、マックスくんに話しかけました。マックスくんは、お昼のにんじんを食べながら紅茶をのんでいるところでした。 「シャルルくん。ごはんはおちついてたべなければいけませ…
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マックスくん、シャルル少年とともだちになる。

// フランスは、不穏なけはいでいっぱいです。 マックスくんは、いまにも雨がふりそうなどんよりした空をみあげて、そうおもいました。 街のひとびとは、とてもおびえた毎日をおくっています。 戦争がちかいのです。 マックスくんは、しょんぼりとうなだれました。なぜ、ひととひとが争わなければならないのでしょうか。うさ…
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うさぎ、さかいをこえる。

// フランスの田舎町に、一匹のうさぎがいました。うさぎはうさぎらしく、ぴょこぴょこと動きながら、それなりにしあわせに暮らしていました。 ところがある日、うさぎは気付きました。 世話してくれている家の末っ子が、近所の悪ガキにいじめられているのです! うさぎは何とかしたいと思い、一番古くからこのうさぎ小屋にいる長老…
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月と私とあなたの話。

「『月のようだ』と言われたことがあるかしら?」  目の前で花を生けている少女は、きょとんとした目で私を見た。 「そんな恥ずかしいことを言う人、神代の周りにはいなかったわ。」  やっぱり海外はそういうことストレートに言えちゃう環境なのねー。  そう言う彼女と私の今の会話はドイツ語だ。彼女は母がドイツ人、父がアメリカ人という国際…
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シスターの少女 あとがき

さて、ようやく終わりましたな。読んでくださった方がどれほどいるのかよくわかりませんが(なにせヒット数の少ないブログだからな・・・)楽しんでいただければいいとは思います。 しかし、大多数の人間を満足させる作品であるならば、某小説大賞で一次にも受からないということがあるわけもなく、やっぱり今読み返しても力のなさが目立ちます・・・。 …
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シスターの少女 最終話

/ /  龍石は、数日前に出た砂の町から離れ、明石大橋を渡っていた。  まだ陽は高く、海がきらめいて美しい。 「神奈川は遠いなぁ。空でも飛べりゃいーんだが。」  旅の神は空は飛ばない。  変なこだわりのある母からの躾だった。ただ単にからかわれているだけかもしれないとも龍石は思っている。 「飛べるんな…
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シスターの少女 第15話

/ / 「シスター。ありがとう。」  少年は、足を痛そうにしているものの、元気そうになるみに礼を言った。なるみはにっこりと笑った。 「いやいや。それにしても、町まで行って帰ってくるだけで一日かかると思ってたのに、随分早く帰って来れたのね。」  なるみが静を倒して、4時間後に少年は町の衛兵団を連れて戻ってきたのだ。リオ派…
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シスターの少女 第14話

 殺される。  静は、必死で村を走った。なるみから、逃げたかった。 「逃げ出すって事は、どういうことかわかってる?」  どこからともなく、なるみの声が聞こえた。追ってきているのだ。全力で走っている自分を。気配を完璧に消して。その事実に、静はただ恐怖した。 「リオ派は、戦うことでしか生きられなかった者たちの集団…
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シスターの少女 第13話

/ /  なるみは村の中へと走った。障害物が欲しかった。連続して7発打ってくるのを身軽に障害物を用いてかわす。続いてもう2発。 「なんでマグナムのくせに連続装填できンのっ!改造しやがったわねっ!?」  数発、銃声が聞こえたかと思うと、周囲の砂がはねる。正直、ほこりっぽい。咳き込みそうになるのを耐えて、なるみは走り続けた。…
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シスターの少女 第12話

 なるみは、リオのことを思い出す。金の髪と、雨の降る空の色をした瞳。信じられないほどの奇跡を体現して見せた少女。  彼女が自ら動かないということは。 「リオは、もういいのよ。自分の役目を終えたと思ってる。」 「な・・・に?」 「あなたは、リオに直接会ったことがないからわからないでしょうけど、彼女がやろうと思って出来な…
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シスターの少女 第11話

それは、かつて所属していた組織で。かの人の、影に隠れて。 「なるみ・・・!」  朝日、なるみ。あさひ なるみ。アサヒナルミ。 朝比奈 るみ―――!! 「暗殺者 朝比奈 るみ・・・!」 「ご名答。静くん。」  笑いもせずに、なるみは銃口を静に向けた。 「暗殺者 朝比奈るみ――って、静。それ、リオ派の暗殺者…
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シスターの少女 第10話

// 薄暗い倉庫の中で、静は自分の思考に沈んでいた。  茶色いくせっ毛。琥珀の大きな瞳。幼い顔立ち。小さな身体。  ―――どこかで、会っていないか?  静は先程出会ったシスターを思い出しては、自分の記憶に照らし合わせるといった作業を繰り返していた。  どこかで、会ったのだろうか?自分は今まで、リオ派としてリ…
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シスターの少女 第9話

「い・・・!」  気配のする方へ視線をやるなるみと龍石。向けた先の茂みから、5人の男が出てきて、少年の傷ついた足を眺めてせせら笑っている。 「よくわかったな。」 「気配を殺すって事を覚えてからほざきなさい。」  なるみの言葉に、簡単に色めき立つ男たち。 「シスターが乱暴な事していいのかな?―――まして、乱暴されるかもしれな…
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シスターの少女 第8話

/ /  町から少しはずれた所に、墓地はあった。砂だらけだったが、それでもいくつかの緑が植わっていた。墓地は、広大に広がっていた。地上にたった十字架の数だけ、人がいなくなったのなら人が少ないのも理解できる。教会は、ずっと鐘が鳴りっぱなしで、次次と棺が運ばれてくる。  なるみと龍石は少年の案内で、店の女を担ぎながら墓地までやって来…
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シスターの少女 第7話

/ / ばす、ばすっ  軽い音が何度かして、盾に使った木造の机に小さな穴が開く。 「な・・・!?」 「拳銃・・・!」  なるみが、元店の女だったものを見た。血の流れる一点を見やる。 「357マグナム・・・!」 「おい、朝日!裏口がある!さっさと逃げろ!」 「ばか!あんたはどーすんのよ!!」 「ガキは自分の心配だけ…
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シスターの少女 第6話

「シスター。シスターは、故郷の村や町をでるとき、どんな気持ちでした?」 「・・・そうね。もう、あまり覚えてないかな。何せ小さかったし。」  なるみが、育った所を出たのは6歳になるかならないかの頃だった。 「私は、恐いんです。皆で作ったこの村以外、私は知りません。昔の町並みがどうだったかさえ、今はもう覚えていません。だから、私た…
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シスターの少女 第5話

「・・・リオの?」 「あの人、まだ生きてるんですか?」  女の言葉に、こくりとなるみは頷く。 「別に政府は、リオを殺した、なんて発表はしてないわ。噂によると軽井沢の一室に軟禁してあるとか。リオ派ではね、リオ=ログネスは神様なのよ。彼女さえいれば、それで自分たちは救われた気分になるの。」 「なんだか宗教じみてるな。」 「…
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シスターの少女 第4話

「え?なんで。」 「・・・この村にはね、リオ派が来るの。」 「・・・リオ派が?」  なるみが眉をしかめた。  リオ派というのは、まだ『宇宙からの贈り物』事件直後の混乱の時代、関東で関東政府の前身である定洋・三石生徒会連合軍がリーダーの朗を中心に盛り上がっていた。それに対抗するように現れたグループが、リオ=ログネス率いる独…
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シスターの少女 第3話

// 街道沿いに位置するこの町は、全体として小さい。おそらく、町一周するのに歩いて一日もあればたりるであろう。町の中央には噴水と公園があり、公園のベンチからは鳥取砂丘が見える。公園の周囲には寂れてはいるが飲食店もあり、昼時の現在ならばもっと町の人々が集まってもいいはずだった。  その、やけに人通りの少ない町中の道をなるみと龍…
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シスターの少女 第2話

//  なるみが目を覚ますと、目の前に「赤」がいっぱいに広がっていた。  反射的に殴り倒した。  「赤」が倒れたので、身を起こして周囲の状況を確認する。なるみはベッドの中にいた。部屋は質素な木造だが、どうやら宿屋のようで清潔にはしてある。外からは大きな音や争うような音は聞こえない。静かだ。いや。静か過ぎる。教会の鐘の音が町…
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シスターの少女 第一話

// 8年前、地球に小さな隕石が落ちた。アメリカの南部にそれは落ち、直系10メートルほどのクレーターを作り、各地に地震を撒き散らし、津波を呼び寄せ、それで終わるはずだった。宇宙空間を何万光年と漂ったそれは、人類に未知なるウイルスを付着させていた。後に「ピーターパン」と名づけられるウイルスは、脳の年齢が⒛歳を過ぎた者に発…
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