マックスくん、少年騎士とであう。

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マックスくんのおめめは、大洪水でした。だいすきなだいすきな、シャルル少年と別れなければならなかったのです。それがかなしくてかなしくて、ふわふわのしろい毛並みに、大粒のみずがしみていきます。

それでも、べつのみちをあるかなくてはならなかったのです。

いつまでもシャルル少年といっしょではいけないのです。マックスくんはかなしみをこらえてぴょこぴょこと旅路をいそぎます。

「おやおや。うさぎって泣くんだなぁ」

青いおめめがまっかっかになったままで声のぬしをみると、まだ少年の騎士見習いがふしぎそうにマックスくんをみています。

「ぼくはマックスくんです。うさぎではありません」
「ふーん。なぁうさぎ、お前しゃべるんだなぁ。殺して干し肉にしようと思ったけど、どうしようか」

マックスくんはいやいやとくびをふりふりしました。そうして、少年騎士にたずねました。
「おでかけですか?」
「戦争しに、ちょっとイギリスまで」
「きみのようなちっちゃいこまで、せんそうにいくのですか」

少年騎士は、マックスくんのかわいらしいおみみをむんずとつかみ、マックスくんを持ち上げました。ばたばたともがくマックスくん。

「小さくない。俺は立派な騎士だ」
「まだ30ねんもいきていないくせに」
「お前、幾つだ。魔物か?」
「まものかもしれません。ぼくはマックスくん。ひとのかなしみをすくいたいとどりょくするだけのただのいきもの。しろいけなみがちにそまっても、あゆむみちはまげないときめました」
「はん。大層なうさぎだな」
「マックスくんです」

少年はマックスくんのおみみをはなしました。りっぱにちゃくちするマックスくん。

「なら、俺も「マックスくん」とやらだな。俺も国民と国王を守るため、剣を血に染めると決めた。どんなにこの身体に傷がついても、俺は構わない」
マックスくんはあおいおめめを細めてうなづきました。
「そうですか。ではぼくたちはなかまですね」
「勝手に仲間にするな」
「ぼく、なかまははじめてできました」
「すぐできるだろうさ。そんな人間、騎士の中にはいっぱいいる」
マックスくんは、うれしそうに、ちょっとかなしそうにほほえみました。
「いずれわかります。ぼくになかまがたくさんできるかどうか。きみがぼくのなかまなのか。ぼくがどんないきものなのか」
「?なんだお前、俺の話を信じないのか」
「しんじることですくわれることなんて、なにひとつとしてないのですよ」

そういってマックスくんはウインクをして、少年騎士のまえをぴょこんと跳び去りました。ひとけりで1キロのきょりをとんでいきます。そのマックスくんをみおっくて、少年騎士はぽかんとしたかおをしました。

「すげーうさぎ。俺もあんなになれるかな」

少年騎士はその日から、まわりのひともびっくりするくらいきびしいたんれんをはじめたのでした。

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