「女性は産む機械」騒動の私的見解。

最早話題も去りかけた「女性は産む機械」発言。一応ジェンダーを研究していた人間として、話題に取り上げてみたいと思います。

厚生労働大臣というと、現在深刻化している少子化問題対策の責任者。その職に就いている人間をして「産む機械」とは何事じゃい!!という問題が本件なわけです。

全世界の女性が怒るのも納得な発言ですね。辞任もやむを得ないとも思います。

この発言に対して、大臣本人も安倍総理も、「悪かったとは思うが、そんなにぴーちくぱーちく騒ぐほどのことでもないだろう」という感じが見て取れるし、実際そう思っているから辞任もしないんでしょう。それに、女性であってもやっぱり「ちょっとしたことじゃないの。目くじら立てて怒るなんて下品だわ」と思っている方、「その発言は問題だが、他の文脈からするとそう悪い内容の話でもない。文脈を読まずに発言だけが取り立たされている」という意見。色々あるのをこの一週間観察していました。それで、わたしなりの意見を総括しますと。

それでもやっぱり悪いもんは悪い。

テレビ映像が残る公式の場で「ぽろりと出てしまった」ということは、元来そう思っているということです。思ってもないことを言うことはありませんからね。前後の文脈にどんなに立派なことが語られていようが、この発言だけで全てが帳消しになります。たとえキング牧師がかの有名な「I have a dream.」を語っている中でこの発言が出ていても、やっぱり発言者は非難を浴びるでしょう。それほど女性に対して侮辱的な言葉です。そして、一般人が発言してもかなり非難を浴びる発言なのに、厚生労働大臣という公僕の親分がそう発言して「大変失礼しました」で済ませようと思えるのがおかしい。こんな思想を抱いているから、ちっとも少子化対策が進まないのです。

子どもの育児手当がいくら増えても、女性は子どもを産みません。どれだけ女性が育児休暇をとった後で社会復帰できる対策が採られても、恐らく少子化は進むでしょう。女性は子どもを産みたくないわけではなく、産めない状況がある。それは、社会的立場や金銭だけのことではないからです。

それは、男性の育児協力がまだまだ足りないからです。つまり、「子育てに対する理解」が足りない。それは、男性も育児休暇を取った後でも社会復帰する、とか、あるいは会社から自動的に育児休暇を与えるとか。その休暇中の手当てを最低でも6割与えるとか(現在は3割程度だったはず)。さらに言うなら、家事を共同にするとかいうことまで求められます。
そこまで条件を整えなければ、女性は子どもを産んで、今まで得てきたキャリアを大切にすることができないのです。

「子育てと仕事、どっちが大切なんだ」と男性は言うでしょうか。だったらそういう男性が仕事やめて子育てしたらいい。女性だって、今まで努力に努力を重ねてキャリアを積んできたんです。それをおいそれと投げ出すには、やはり踏ん切りがつかなくて当然です。「どっちも大切」にできる環境を、女性は求めている。そのことに厚生労働省が気付かなければ、数十年後には日本の人口は3分の1まで減少していることは確実です。

おっと。厚生労働省の少子化対策問題が本題ではなかったですね。まぁ、大臣は辞任したらいいとわたくしなどは思うわけです。しかし、女性議員が敏感にも翌日辞任を要求したのは、ただの政治的判断で、決して日本女性の代弁をしたわけではないとも思います。今の永田町って足の引っ張りあいだもの。あの女性議員を見て「ぴーちくぱーちく下品ね」と思うのは当然ですね。わたくしもそう思ったくらいですから。ただ、一般女性の意見はもっと純粋に「今まで私たちのことをどう思っていたのか、よーっくわかったわ」という冷ややかな感情があると思います。駆け引きのない感情が、一番素直で多くの人の共感を得るでしょう。

ほんとに「産む機械」になって、子育てを男性が一手に引き受けるのなら、それでもいいと言う女性が少なからず出てくるかもしれませんね。

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