マックスくん、シャルル少年とともだちになる。


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フランスは、不穏なけはいでいっぱいです。

マックスくんは、いまにも雨がふりそうなどんよりした空をみあげて、そうおもいました。
街のひとびとは、とてもおびえた毎日をおくっています。

戦争がちかいのです。

マックスくんは、しょんぼりとうなだれました。なぜ、ひととひとが争わなければならないのでしょうか。うさぎとうさぎは、滅多なことでは争いません。うさぎはひとりでは、さみしくて死んでしまうので、仲間はとっても大切なのです。

ああ、いまにもおめめが大雨になってしまいそう。

「めずらしい生き物がいたものだな。」

マックスくんはふり向きました。まだ幼い人間の男の子が、心底感心したようなめでこちらをみていました。

「うさぎが、二本足で歩いている。」
「うさぎではありません。ぼくはマックスくんというのです。」

マックスくんは、紳士的に自ら名のりをあげました。あまりにもきちんとしたおじぎだったので、少年はますますおどろいて、わらいました。

「やぁ。立派なご挨拶だ!ぼくの名前はシャルル。マックスくん。お名前からだとイギリスからの迷いうさぎなの?」

シャルル少年は、りっぱな英語ではなしかけてくれました。マックスくんは、まだフランスからでたことがないので英語はよくわかりません。長いおみみをかたむけて、くびをよこにふりふりしました。

「ぼくはフランスうまれですよ。マックスくんは、ぼくがなまえをつけました。」
「へぇ、そうなの。ねぇマックスくん。ぼくはフランス語を話すうさぎを初めてみたのだけれど、実はうさぎってフランス語を話したりするのかな?」

マックスくんはまた、くびをふりふり。
「ぼくはうさぎではなくなったので、ひとのことばをはなします。ぼくはうさぎではなく、マックスくんなのです。」
シャルル少年は、よくわからないという表情をしました。
「よくわからないけど、きみはとても面白いことを言うね。どう?ぼくのお家に遊びにくるかい?」
「おいしいにんじんはありますか?」
「もちろん。ぼくの家はけっこうお金もちなんだ。」

マックスくんとシャルル少年は、おともだちになりました。

空はまだ、どんよりとした雲が覆っています。

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