シスターの少女 第13話


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 なるみは村の中へと走った。障害物が欲しかった。連続して7発打ってくるのを身軽に障害物を用いてかわす。続いてもう2発。
「なんでマグナムのくせに連続装填できンのっ!改造しやがったわねっ!?」
 数発、銃声が聞こえたかと思うと、周囲の砂がはねる。正直、ほこりっぽい。咳き込みそうになるのを耐えて、なるみは走り続けた。

 町には人がいなかった。恐らく、騒ぎに気付いて避難したのだろう。気にせずにやりあえるというものだ。なるみは、例の女の死んだ食堂へと滑り込んだ。なるみに続くように実弾が木造の店を削る。
「ここか・・・!?室内に入って有利なつもりか・・・!?」
 静は、用心深く店の出入り口から中を覗き込んだ。見失うのだけは恐かったので、店の中に踏み込んだ。気配はないが、元暗殺者の彼女のことだ。気配を絶つことなど何の苦もなく行うだろう。店内の様子をうかがう。
 床には、多量の血痕が残っていた。さっき、殺した女の血。
「出て来い!」
 静はマグナムを3発連続で闇雲に撃った。
 かたり、と軽い音がなった。そこに銃口を向け、引き金を引いたが、かちりと撃鉄の乾いた音がなるだけだった。

 弾切れ―――

「くそっ!」
 その瞬間、銃声が6発、大きく鳴り響いた。両肩、頬、両足、そして右手に持った銃の銃身を掠めた。ちいんっと高い音が響く。銃を取り落とさなかったものの、右手がしびれた。
「くっ・・・!?」
 静は、机などで身を隠し、店内を探す。新たに放たれた実弾が、狙い違わず静の身体を掠めていく。

 店の中になるみはいる。

 弾を込めなおしながら、店の中を走った。その間、いつ弾を装填しているのかわからない速さで、次次と身体の一部が削られていく。
「どこだ!?どこにいる・・・!?」
 既に静は血まみれだったが、致命傷には至っていない。その正確さが、更に静を追い詰めていく。
 遊んでいやがるのか・・・!?
「どこだ!?どこに・・・!」

 ふと、割れた窓に目をやった。ガラスが割れ、大きくひびが入っている、穴の開いたガラス窓。ガラスの向こうは住人が植えたであろう緑がちらほらと見えるが、建物はない。その、窓の先の景色の一部に、小さな黒い影。

「朝比奈 るみ・・・!」
 既になるみは店内から外にいたのだ。そして、店から数十メートル離れた先から恐るべき正確さで、窓の穴を通して自分を狙い打ちにしていたのだ。

 動き続けている、自分を。

「―――っ・・・!」
 静は、店の外へと出た。あそこにいては危険だ。そう。危険。彼の全身が、告げていた。

 彼女は、危険だと。

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