シスターの少女 第12話


 なるみは、リオのことを思い出す。金の髪と、雨の降る空の色をした瞳。信じられないほどの奇跡を体現して見せた少女。
 彼女が自ら動かないということは。

「リオは、もういいのよ。自分の役目を終えたと思ってる。」

「な・・・に?」
「あなたは、リオに直接会ったことがないからわからないでしょうけど、彼女がやろうと思って出来ない事なんてないのよ。だから、彼女はもう日本を手に入れようだなんて、思ってないの。」

 いや。そもそも。
 彼女は一番最初から最後の最後まで、この国のことなどどうでも良かったのかもしれない。

「そ・・・そんなことが・・・!」
 信じられるわけがない。ならば。

「戦って、証明しましょう。それが、リオ派のやり方よ。」

 静は、愛銃ダン・ウェッソン2.5インチリボルバーを構えた。銃身がいやに長いのは銃口に銀色に鈍く光るサイレンサーのせいだ。
「そうだな。生き残った者が正義だ。」

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「ねえ、シスター。大丈夫かな。」
半泣きの少年をおんぶしながら、龍石は走った。
「さぁな。しらねぇよ。あんなけ大口叩いたんだ。大丈夫だろう。」
 途中、何発かの銃声が聞こえた。本当に大丈夫かは、龍石は自信がない。
「神様が何とかしてくれるのかな。シスターって、“神の女”って意味なんでしょう?」
「神様は気まぐれだぜ?おまけに美形好きだ。朝日じゃ望み薄だな。」
「そうなの?」
「ああ。あんないい加減な奴らに拝み倒すくらいなら、自分でなんとかした方が賢明だな。」

 少年は、龍石が変な事をいうひとだな、と思った。さっきの旅の神様の話も変だった。

少年が心配そうな表情をしたのに龍石は気付いた。慌ててフォローする。
「さっきの話、覚えてるか?」
「旅の神様の話?」
「ああ。気まぐれな旅の女神様。“龍の女神様”って名前なんだ。」
 少年に言い聞かせながら、龍石は自分の気を紛らわしていた。

なるみが、心配だった。

「女神様が、シスターを守ってくれる?お姉ちゃんみたいにならない?」
「さぁな。何せ気まぐれだから。」
「おにいさんは、女神様に会ったことがあるの?」

 龍石は、笑った。

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