シスターの少女 第4話


「え?なんで。」
「・・・この村にはね、リオ派が来るの。」
「・・・リオ派が?」
 なるみが眉をしかめた。

 リオ派というのは、まだ『宇宙からの贈り物』事件直後の混乱の時代、関東で関東政府の前身である定洋・三石生徒会連合軍がリーダーの朗を中心に盛り上がっていた。それに対抗するように現れたグループが、リオ=ログネス率いる独立集団。非暴力をとなえた生徒会軍に対して、リオ派は殺人をも行うアグレッシブな集団であり、生徒会連合軍とリオ派が激突した『お台場大決戦』で、リオ派は生徒会軍の高官を暗殺した。しかし代わりにリーダーのリオ=ログネスが捕縛され、リオ派は求心力を失ってばらばらになった。
 しかし、リオ=ログネスの再来を待ち望む一派の残党が、テロリズムを行う事が多々あった。ゆえに、リオ派は関東政府軍ならびに関西政府軍『武芸団』に指名手配となっている。

「なんで、リオ派がこんな所に・・・」
 龍石の声に、店の女が細い声で返した。
「明石大橋よ・・・。この町は、確かに近くに大きな町もないし、とくにこれと言って珍しいものもない村だわ。でも、表通りを歩くなら、明石大橋まで行くにはこの村を通っていかないと辿り着けないのよ。」
「なんでまた、明石大橋?」
 なるみが不思議そうな表情をする。店の女は、感情を押し殺した声で淡々と答えた。
「明石大橋は、本州と九州を結ぶ大事な通路。旅人や商人もここを通ります。更に言うなら、明石大橋を占拠したいと思うなら、まずはこの村から攻める、というわけです。」
 龍石がぎょっとした顔で女を見た。
「どうして、明石大橋を占拠するんだ?」
「わかりません・・・。」
 女は力なく首を振ったが、それにはなるみが答えた。
「リオ派の最終目的は、何か知ってる?」
「・・・さあ。」
 なるみは店の女にも視線をやるが、女もわからないと首を振った。

「リオ派の、最終勝利条件は『リオ=ログネスの解放』よ。」

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