シスターの少女 第一話

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8年前、地球に小さな隕石が落ちた。アメリカの南部にそれは落ち、直系10メートルほどのクレーターを作り、各地に地震を撒き散らし、津波を呼び寄せ、それで終わるはずだった。宇宙空間を何万光年と漂ったそれは、人類に未知なるウイルスを付着させていた。後に「ピーターパン」と名づけられるウイルスは、脳の年齢が⒛歳を過ぎた者に発生する脳内物質に反応し、猛毒へと変わり、成人を全て死に至らしめた。
 この事件を、少年少女たちは「宇宙からの贈り物」と呼んだ。当人たちにしてみれば、義務教育終了程度の知能を使った必死の嫌味であった。
 日本と言う小さな島国では、当時十代の少年少女が知力と体力と謀略の限りを尽くし、成人が存在しないという異常事態を克服し、小さな国・・・邦を作り上げた。
 8年経った今、日本の東西は分かれ、正常ではないが平和に、人々は暮らしている。

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第一話 シスターの少女
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 朝日なるみは、空腹だった。
 ここ数日、何も食べていない。明石大橋で財布を落としたのが効いている。
 ここは鳥取。しかも、砂丘が直ぐそこに見える。町までもう少しかかるだろう。日が照って、汗が吹き出る。汗が修道服に張り付いて気持ちが悪い。
「腹、減った・・・」
 少女には似つかわしくないよろよろとした足取りで砂の多い道を歩いた。
 なるみはそこで、死体を見つけた。ついさっきも通りかかったとき見かけたが、素通りしてきた。しかし、ここにももう一体。何かあったのだろうか。なるみは、そこまで考えて、倒れた。
 空腹で、気絶した。

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